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No.183 “定番”を強化し新たな戦略で挑むタカラトミーの経営感覚
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“選ばれ続ける仕組み”を設計するメールマガジン 2011.09.12
ブランディングニュース『世界で活躍するニッポン・ブランド』
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こんばんは。
アイディーテンジャパン・ブランディングニュース編集局です。
日本ではサクラが咲く4月が入学式のシーズンですが、
世界を見渡せば、多くの国が9月にシーズンを迎えます。
大晦日までは、ちょうど残り110日。
世界の多くがre-startを切るこの9月に、
私たちも同じく希望をもちながら
新たな第一歩を踏み出したいものです。
さて、今回のブランディングニュース
『世界で活躍するニッポン・ブランド』は、
日本発の世界的おもちゃメーカー・タカラトミーを取り上げます。
おもちゃといえば、子どもがメインターゲットであり、
年齢や性別、またその時代の流行や社会情勢を反映した
キャラクターが生まれ、関連したグッズが商品展開されるもの。
そのため、使用するキャラクターは毎年のように変わり、
次々に新製品が市場に投入されていきます。
そんな中にあって、「リカちゃん」、「プラレール」といった
特定の年齢層には不動の人気を誇る定番商品で
タカラトミーは勝負を挑んでいます。
新商品を次々に投入する世界のライバル企業を前に、
定番商品で挑むタカラトミーの勝算とは何か。
その経営感覚について見ていきたいと思います。
タカラトミー
http://www.takaratomy.co.jp/
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<本日の内容>
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[1] "選ばれ続ける仕組み"の事例:
“定番”を強化し新たな戦略で挑むタカラトミーの経営感覚
[2] 編集後記
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[1] "選ばれ続ける仕組み"の事例:
“定番”を強化し新たな戦略で挑むタカラトミーの経営感覚
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■ 思い出とともに蘇るタカラトミーのおもちゃたち
PCやゲーム機の普及により、子ども達の遊び方は
劇的な変化を遂げているといわれますが
0~3歳の乳幼児期には、親の意思もあってそう変化していません。
育てられる環境にもよりますが、
自分よりも大きな乗り物が動くことや
大人のまねごとをする遊びに興味を示すようになってくる時期。
ちょうどその頃、手にするおもちゃが
「リカちゃん」であり「プラレール」です。
タカラトミーは2006年に合併していますが、
リカちゃんは旧タカラ時代から、
プラレールは旧トミー時代からの定番といえる商品です。
とくに2~4歳の幼児には、今も昔も不動の存在感があり、
30年ほど前に親からおもちゃを買い与えてもらった世代が
いま、自身の子ども達のためにと、購入しているのが現況です。
遊び、そしておもちゃのの選択肢が増えた分、
これら商品の販売数量は減少していることは確かですが、
それでも定番商品にこだわる理由とは何か。
それは単に「売れ続けるから売り、売れないから撤退する」という
商品の販売状況だけを見る判断ではありません。
商品自体が「ブランド」として定着していると
タカラトミー自体が認識しているから。
そして、これらブランドをどう活用していくかを
戦略立てて考え、事業の強化・拡大を図っているのです。
■ 刷新すべきは、商品ではなくコンテンツ
タカラトミーでは、これらブランド化した商品を
新たなビジネスチャンスと捉え出発しました。
・トランスフォーマーをハリウッドで映画化する。
・リカちゃんを他業種の企業CMに起用させる。
・ベイブレードを入口として日本の伝統的な遊びを海外へ発信する。
これらはおもちゃ自体が誕生した頃にはない発想であり、
いうまでもなく“売れている時代”には必須でないビジネスです。
しかし、商品自体が販売を減少させていく現況において
おもちゃから生まれたブランドを生かし、
時代のニーズを捉え、コンテンツとしてビジネスにつなげる。
これは定番商品が
ブランドとして成立しているからこその戦略。
単に商品自体の販売に固執せず、おもちゃがもつ可能性を
十二分に発揮させるビジネスを展開する経営感覚こそが
定番商品を強化させていく事業方針の背景といえます。
■ 新商品を次々投入するだけでは、ブランドは磨かれない。
かつてタカラトミーの担当者が、ブランドについて
インタビューを受けています。
「タカラトミーのブランドが、子ども達の生活のタイムシェアを
どれだけ獲得できるかが重要なのです。」
メインターゲットとなる子どもは、
自らの意思で購入する機会が限定的ということが
平等に条件付けされています。
こうした状況下では、コメントの通り
共有する時間や親近感こそが、ブランドの価値を高めます。
それは即座に利益やヒットにつながるレスポンスはないまでも、
時間の経過とともに磨かれ、強くなっていくものです。
同様の戦略でグローバル展開していくには、
海外で認知され、ブランドが磨かれていく時間が必要であり、
そのタイムラグをいかにビジネス展開するかがカギです。
しかし、このタイムラグを乗り越えた時、
さらに強固なブランドと成り得ることはいうまでもありません。
おもちゃ業界というと、少し特殊性を感じてしまいますが、
同様に、時間軸を把握したブランド戦略を立てるべき業界は
まだまだ存在します。
自身が進めるブランドはどうか。
過去、現在だけで思考することが、果たして正しいのか。
こうした点にもう一度着目し、改めていくことが
新たな可能性を引き出す第一歩かもしれません。
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商品自体が販売を減少させていく現況において
おもちゃから生まれたブランドを生かし、
時代のニーズを捉え、コンテンツとしてビジネスにつなげる。
これは定番商品が
ブランドとして成立しているからこその戦略。
単に商品自体の販売に固執せず、おもちゃがもつ可能性を
十二分に発揮させるビジネスを展開する経営感覚こそが
定番商品を強化させていく事業方針の背景といえます。
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[2] 編集後記
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みなさん、こんにちは。
今回取り上げたタカラトミーのような
子どもたちをメインターゲットに置いたビジネスは、
少子化が年々加速する日本では不利と考えるところでしょう。
しかし、そんな逆境においても
あえて動く企業も存在しています。
その一つが、国内流通大手のイオングループ。
かつて子ども服で一大ブームを巻き起こしたナルミヤの製品を
イオンの店頭で販売していくニュースが、先日報じられました。
消費者ニーズの一つである「低価格帯」の売れ筋商品とともに、
それらとは対称的な「デザイン性の優れた(高価格)商品」を
同じ売場に並べるとのこと。
これにより「子ども服を購入したい」客を
幅広くキャッチする戦略のようです。
「安くて良い服を買いたい」というニーズと
「少々値が張っても、流行のファッションを」というニーズ。
総合性をもつことで生じる在庫リスクや特質性の喪失を乗り越えて、
方向性は異なっても、背景にある共通の目的を見失わない戦略。
ブランディングに携わる身として
こうした消費者の側に立った事業展開が実を結ぶことを
願ってやみません。
(小田)
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