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ブランディングニュース

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No.199 顧客の創出&ポジションを定着させるYAMAHAの中国ブランド戦略


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No.199 顧客の創出&ポジションを定着させるYAMAHAの中国ブランド戦略
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“選ばれ続ける仕組み”を設計するメールマガジン      2012.01.09

 ブランディングニュース 『企業ブランド戦略の成功と秘密』

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みなさん、こんばんは。
アイディーテンジャパン・ブランディングニュース編集局です。

早くも松の内が明けてしまいましたが、
新年あけましておめでとうございます。

2012年は、さらに内容を充実させられるよう、
編集局一同、精進してまいります。
どうか本年もご愛読のほど、何卒よろしくお願いいたします。

さて、2012年最初のブランディングニュース
『企業ブランド戦略の成功と秘密』は、YAMAHAブランドで有名な
楽器のトップメーカー・ヤマハを取り上げます。

日本においては、シェア・知名度ともナンバーワン楽器メーカーのヤマハ。
YAHAMAブランドはピアノを中心として世界的に認知されています。

その裏には、いずれ少子化により需要減が見込まれる日本の未来、
そして「音楽の本場=欧州」というイメージに対抗できるよう
早い時期から海外展開に向けた戦略を重視してきた経緯があります。

現在では、ピアノにおいても世界で2割以上のシェアをもつという
YAMAHAブランド。とくに中国での売上は目覚しく、毎年2ケタ台の
成長をつづけています。

今回は、中国におけるヤマハの事業展開を検証するとともに
顧客側、いわゆる富裕層の変化についても見ていきたいと思います。

ヤマハ
http://jp.yamaha.com/

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<本日の内容>
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[1] "選ばれ続ける仕組み"の事例:
顧客の創出&ポジションを定着させるYAMAHAの中国ブランド戦略

[2] 編集後記

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[1] "選ばれ続ける仕組み"の事例:
顧客の創出&ポジションを定着させるYAMAHAの中国ブランド戦略
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■ 顧客を生み、育てる「音楽教室」の存在感

YAMAHAと聞いて、まずイメージするのは「ピアノ」。
国内でも8割以上の人が
ピアノのトップメーカーとして認知しています。

その理由はさまざまですが、一つとして考えられるのは
「ヤマハ音楽教室」の存在です。

当初はピアノの購入者が上手に弾けるようにと
日本では各地で音楽教室事業を展開してきたヤマハ。
いまでも小さな子どもが音楽に触れ合う様子をCMで放映しています。

さて、この音楽教室はヤマハでも重要な事業であり、
中国においても都市部を中心に18カ所で「音楽教室」を開講。
5000人あまりの生徒がピアノを中心に音楽の技能を学んでいます。

この音楽教室は、
ピアノの購入者に向けたサービス事業という側面のほかに
新たな顧客を創出するという側面をもっています。

とくに中国では、近年の経済発展によって
いわゆる富裕層に仲間入りした国民が主な購入層。

しかし、こうした購入層はピアノに触れてきた機会は少なく、
YAMAHAがどんなに上質な製品を提供しても
それを使って生活を楽しむということを知らないのです。

そうした事から、ヤマハでは音楽教室を入口として
顧客を創出していく「教育的マーケティング」に着手。
これも売上を後押しする重要なポイントといえます。

■ 2ケタ成長の陰に見えてきた顧客側の変化

しかし、音楽教室という存在は
成長を加速させる「重要なポイント」であっても
最大の要因とはいえません。

なぜなら、音楽教室の生徒数はわずか5000人であり、
ここからのバズ(クチコミ)・マーケティングを勘案しても
毎年2ケタ成長に押し上げるまでの力はないからです。

この点もヤマハは着目し分析。
そこで浮かび上がってきたのは「購入層の変化」でした。

中国も、かつて日本が高度経済成長期を迎えていた頃と同じく
「お金持ちの象徴」としてピアノを購入し
一つの装飾品として部屋に置いていました。

しかし、音楽教室や中国での音楽教育を通じ
音楽という言葉の本来の意味である「音を楽しむ」ということを
体感し、それを日常に取り入れる人が増えてきたのです。

そうした変化により、ピアノの購入層自体が拡大したのです。

また、音楽教室を開講した当初から「現地の相場」よりも
高い価格設定を維持したことも、
ブランド価値を高める効果を生み出しています。

中国国内のメーカーが製造したピアノ、韓国製ピアノは
現在、中国国内で2、3番手のシェアまで成長。

そうした両者よりも3割程度価格高いYAMAHAピアノですが、
その品質や耐久性をする愛好家たちの評価もあって
着実に売上を伸長させています。

■ ブランド浸透とともに考えたい「頭の中のポジション」

日本が誇る「ものづくり」という事に特化したメーカーの視点は
「良いものを作れば、必ず評価され売れる」というもの。

しかし、その使い方を知らない人にとっては
品質の良し悪しを判断する前に「不要」という判断をし
手に触れることもなく通過してしまいます。

そうした点でヤマハは、音楽教室を開講し顧客の創出に注力。
これが中国国内においてどの程度影響したのかは推測できませんが
音楽教育の機運を高めていくことにつながった可能性もあります。

さらには、中国進出時から一貫して
「YAMAHA」という世界ブランドにふさわしい価格で勝負したことも
ブランド自体の大きな付加価値をもたらしました。

つまり「YAMAHA=世界ブランド」というポジションが
購入者の頭の中に存在していれば、価格に関わらず
YAMAHAピアノを購入するようになるということです。

国内・海外に関わらず、単に消費者の視点から考えれば
「低価格」かつ「高品質」であることが普遍的なニーズと
端的に思ってしまいがちです。

しかし、中国のここ数年間における社会情勢の変化、
またその製品のメインとなる顧客層に注目し
購入する目的と背景を慎重に考えてみればどうか。

必ずしも前者のようなニーズが普遍的でないことが
明白になってくるのではないでしょうか。

とくにメーカーが見落としがちな「教育的マーケティング」の視点。
そして、ブランドを浸透させたいと思うあまりに陥りやすい
ポジショニングを前提としないニーズの追求。

海外展開を考えていく上では、アクションを起こす前に
こうした点を熟慮し、一貫したアイデンティティをもつことが
事業を成功させる近道といえます。

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メーカーが見落としがちな「教育的マーケティング」の視点。
そして、ブランドを浸透させたいと思うあまりに陥りやすい
ポジショニングを前提としないニーズの追求。

海外展開を考えていく上では、アクションを起こす前に
こうした点を熟慮し、一貫したアイデンティティをもつことが
事業を成功させる近道といえます。

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[2]  編集後記
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いよいよ2012年がスタートしました。
どうぞ本年もよろしくお願いいたします。

昨年末には、ニュースやYouTubeでご覧になった方も
多いとは思いますが、音楽家・坂本龍一氏が
復興の願いを込めたイベントで、自らピアノ演奏が披露されました。

仙台駅構内など被災地4カ所には、演奏する様子をUstream配信。
さらにピアノを遠隔操作し「まるでその場で弾いたような」形で
演奏が行われました。

この遠隔操作技術も、ヤマハが開発したものです。

はるか昔、貧困層の拡大が社会問題化した欧州では、
「人間はパンとワインだけで生きられるのか」という命題について
哲学者の間で激しい議論が交わされました。

被災した方に必要なものは「衣・食・住」だけではない。
人間にとって、いかに芸術が必要かということが、
この演奏を聞いた方々の声によって、再認識されたと感じています。

こうした視点からの社会的役割ということも
企業として考えていくべき事の一つではないでしょうか。
(小田)