ブランド戦略・ブランディングのアプローチで企業・商品・サービスの魅力が伝わる力を強くする。

No.85 「TUMI」ブランドのターゲット層への配慮

No.85 「TUMI」ブランドのターゲット層への配慮


■ 防弾チョッキと同じ素材の「TUMI」

 海外出張で飛行に乗り込み、
 目的地に到着した後、向かうのは「Baggage Claim(手荷物引渡所)」。

 ズラリと並んだ乗客は自分の荷物が来るのを待っていますが、
 その待っている乗客が手にしているバックをよく見ると、

 「TUMI」ブランドのバック

 が多いことに気がつきます。

 
 「TUMI」とは、
  
  ・1975年にアメリカで設立されたバックメーカー

  ・米軍が指定するほど丈夫なバリスティック・ナイロンを開発

  ・防弾チョッキと同じ素材のバック

  ・小ネジにいたるまで独自開発

  ・「機能性(耐久性/保護性/収納性)」と「モダンデザイン」を追及


 といった特徴があるバックで、
  ビジネスパーソンには熱狂的な人気があるブランドです。


 「ノートパソコンを守りたい」

 「スーツケースをゴロゴロ運ぶため摩耗が激しく、
  そのため丈夫なかばんが欲しい」

 そんなニーズに悩むターゲット層にフォーカスしています。 


■ 一言でいえるブランドの特徴

 さきほど「TUMI」とは・・・と
 「TUMI」の特徴を書き出してみましたが、

 私の頭に最初に浮かんだのは
 「防弾チョッキと同じ素材のバック」
 でした。


 この「素材」とは「バリスティック・ナイロン」のことですが、
 なかなか「バリスティック・ナイロン」といわれて、
 ピーンと頭に浮かぶ人は少ないと思います。

 受け手の頭の中にある情報と、
 送り手が発信するメッセージが
 簡単に結びつけば、受け手の頭の中の情報処理は早くなります。

 つまり、
 
 「防弾チョッキ」と受け手が聞くと、すぐにイメージができますが、

 「バリスティック・ナイロン」と言われても、何のことだか分かりません。

 しかも、

 「防弾チョッキ」といえば、
 すでに受け手が持っている「生命を守るほどの丈夫さ」といったイメージが
 浮かび上がり情報処理が行われます。

 
 「TUMI」といえば●●●。

 この●●●に受け手が簡単にイメージしやすい言葉を使うことによって
 競合よりも一歩でも二歩でも深く受け手の心の中に記憶されます。


 ただし・・・

 ここで気をつけないといけないのが、●●●という言葉に
 引かれるターゲット層です。 


■ ターゲット層への配慮

 私自身、TUMIのバックを一つもまだ持っていません。

 欲しい・・・けど、高い・・・そして、ちょっと力強すぎる・・・
 つまり、高いという「価格の理由」は別にして、

 「防弾チョッキ」という処理されている情報が
 「力強い」というイメージを先行させてしまって、
 「モダンでエレガント」といった私が欲しいバックのイメージから
 遠ざけているからなんです。


 もし、ターゲット層が「TUMI」=「防弾チョッキ」と容易に連想する場合、
 レディース向けの商品は大丈夫かな・・・と心配しています。


 勝手な想像ですが、
 ホームページを見る限り「防弾チョッキ」というキーワードがないのは
 これまでのターゲット層以外への配慮なのかなと思っています。


 先日、表参道を歩いて「TUMI」ショップを発見しました。

 エレガントな佇まいは、
 「力強い」というよりも「機能美」を感じさせます。

 「TUMI」=「防弾チョッキ」というイメージから
 「TUMI」=「機能美」へ変化させてくれました。

 
 私はTUMIの関係者ではないので分かりませんが、
 意図的に「TUMI」ブランドを再構築しているのかな?とも思いました。

 
 いずれにせよ、
 今年は「TUMI」のバックを買いたい・・と思っています。



■■ 今日のブランディングの秘密 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 ● TUMI」といえば●●●。
   この●●●に受け手が簡単にイメージしやすい言葉を使うことによって
   競合よりも一歩でも二歩でも深く受け手の心の中に記憶されます。

 ● 勝手な想像ですが、
   ホームページを見る限り「防弾チョッキ」というキーワードがないのは
   これまでのターゲット層以外への配慮なのかなと思っています。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■