ブランド戦略・ブランディングのアプローチで企業・商品・サービスの魅力が伝わる力を強くする。

No.93 なぜ?「ヴァージングループ」のマスターブランド戦略は強いのか?

No.93 なぜ?「ヴァージングループ」のマスターブランド戦略は強いのか?


■ ヴァージン・グループって?

 ヴァージン・グループってご存知でしょうか?
 
 冒険家としても有名な英国企業家リチャード・ブランソン氏によって
 率いられている英国企業です。

 日本では、ヴァージン・アトランティック航空や
 ヴァージン・シネマズが有名ですね。

 このヴァージン・グループですが、何と、
  ・携帯ビジネス
  ・交通機関
  ・金融
  ・音楽
  ・出版
 などなど。ありとあらゆる分野でその名が広まっています。

 英国の調査では2007年に最も影響を受けた会社として
 ソニーを上回る結果!

 現在、200以上の会社があり、29カ国で5万人以上の社員。
 2006年の売上は200億ドル(2兆円強)!

 
 多分野に一つのブランドが参入すると、その実体が見えず、
 失敗するケースはよく見受けられますが、

 それに反してヴァージン・グループは大成長をしています。

 一体何が違うのでしょうか?


■ ヴァージン・グループのマスターブランド戦略とは?

 ヴァージン・グループのように一つのブランドで新規参入する形態を
 マスターブランド戦略といいます。

 ネスレはユニリーバは個別ブランドを訴求しているので
 個別ブランド型です。

 このマスターブランドのメリットは

  ・新規事業や新商品をスタートさせる際に無名からのスタートではなく
   これまで培ってきたブランド力をいかすことができる

  ・マスターブランドとお客様との接点がスケールメリットの面から
   多くなるので、マーケティング活動が効率的になる

  ・1つのブランドに集中して戦略を考えることができる


 しかし、
 その反面次のようなデメリットがあることも忘れてはいけません。

  ・1つのブランドに依存してしまい新規事業参入への関心が低くなる

  ・分野を超えたコアな軸が弱くなると結束力が崩壊する

  ・マスターブランドが失速すると全ての事業に影響がある


 このようにマスターブランドにはメリットとデメリットがありますが、
 ヴァージン・グループはどのようにしてデメリットを
 カバーしているのでしょうか?


■ ヴァージン・グループの新規ビジネスの条件

 ヴァージン・グループが強い理由・・・
 それはまさに強いアイデンティティにあります。

 このヴァージン・グループの強いアイデンティティを分析していくと
 その強い理由の秘密が隠されているのが分かってきます。

 ヴァージン・グループが大事にしているのは
 「イノヴェーション(改革)」を通してお客様の満足度を向上させること。

 つまり、常にお客様の立場に立って、
 お客様は困っていること、社会的に何とかしないといけないことを
 ヴァージン・ブランドが改革していく、その理念の延長線上にビジネスが
 あるわけです。

 
 ヴァージンのサイトには新規事業に参入するときのチェック項目が
 紹介されています。
 http://www.virgin.com/AboutVirgin/WhatWeAreAbout/WhatWeAreAbout.aspx


 1)業界の再編成は可能か?競争優位に立つことができるか?

  2)競合他社はどのような状況にいるのか?

  3)お客様は困っていないか?ひどい待遇を受けていないか?

  4)ヴァージン・ブランドが参入できる機会はあるか?

  5)追加できる価値はあるか?

  6)他のビジネスと融合してシナジーを生むことができるか?

 7)リスクと手にするものの適切なトレードオフはあるか?

 
 この基準によって新規参入するビジネスには、既成ブランドとは
 一味違ったお客様の期待に応える仕掛けとユニークさが
 必ず隠されています。


 このように見てくると、ヴァージン・ブランドには
 常にお客様の視点から改革の期待感に応えるように
 ビジネス展開していることが分かります。


 ヴァージン・グループのマスターブランド構造を成功させている
 根幹のエッセンスは、1つのブランドに頼ったり、
 商品やサービスの機能的な強みに執着することなく、

 お客様が満足に思っていないところにビジネスの機会を発見し、
 お客様からの期待に改革的な発想とユニークさで応えている
 強いアイデンティティにあるといえます。

 
■■ 今日のブランディングの秘密 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 ● ヴァージン・グループのマスターブランド構造を成功させている
   根幹のエッセンスは、1つのブランドに頼ったり、
   商品やサービスの機能的な強みに執着することなく、

   お客様が満足に思っていないところにビジネスの機会を発見し、
   お客様からの期待に改革的な発想とユニークさで応えている
   強いアイデンティティにあるといえます。

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