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No.97 「TOTO」の中国の高級市場進出

No.97 「TOTO」の中国の高級市場進出


■ 高級市場でシェアを獲得

 「TOTO」が中国市場に進出したのは1979年。
 ちょうど「ウォッシュレット」が日本で発売された同じくらいの時期です。

 この早々の時期から今日に至るまで、
 「TOTO」は中国市場で様々な取り組みをおこなっていますが、

 今日はブランディングの視点から
 注目したいポイントを8点、ピックアップしたいと思います。


 1. まず「TOTO」の対中国市場に向けて取り組んだ注目すべきことは
 早期進出です。

 1979年といえば、民間のツアーが入国するようになったころ。
 今の中国とはまったく違った情勢です。

 にも関わらず、進出を決定したわけですから
 先見の目による意思決定です。

 様々な課題はあったにせよ、
 先行者利益のポジションを確立するきっかけになったと考えられます。


 2. 「TOTO」は、トイレだけを取り扱っているのではなく
 水回りの全ての商品に対応しています。
 もちろん、一貫性のある商品群です。

 一貫したコンセプトで世界観ができているわけですから、
 高級感を大事にするホテルやオフィスからは
 「じゃ、まとめて・・・」と判断しやすくなりますね。


 3. トイレには「節水」の課題がつきものですが、
 「TOTO」は常にこの節水課題には取り組んでいます。

 環境問題に敏感な中国富裕層ですから
 ターゲット層に適した取り組みであることが判ります。


 4. 洗浄能力に優れたウォシュレットは、
 日本以上に海外では関心の高い機能です。

 他にはない技術的差別化でユーザーの期待値と満足度を高めています。

 
 5. 中国市場ということで、あえて価格を下げていません。
 それどころか高価格商品であることを全面に押し出し、
 機能的も価格的にも一流品である軸を守っています。


 6. ショールームによる体感の機会を提供しています。
 質感は実際のものに触れてみないと分かりませんし、
 水回りのライフスタイルも写真だけでは想像できません。

 「なぜ高級なのか?」

 そういったお客様の悩みを解決する場・・・
 その役割を担っているのがショールームです。


 7. 高級品イメージを大切にして販促をおこなっています。
 先ほどのショールームもそうですし、広告もそうですが、
 高級品を軸にしてクリエイティブが管理されています。

 インパクトや話題づくりだけではない
 ポリシーのある世界観づくりが
 一貫した販促展開に活かされています。

 
 8. アフタサービスは、もともと中国では馴染みが薄いのですが、
 「TOTO」は代理店に対してしっかりとした教育をおこなっているそうです。

 もし・・・購入した商品に不具合があって適切に動かず、
 メーカーに連絡しても対応してくれなかったら・・・・

 高級品であればあるほどアフターサービスなしの商品は
 購入できませんね。


■ 受け手を取り囲む「TOTO」のコミュニケーション

 上記の取り組みは「TOTO」からの意思決定でアクションされるものですが、
 この内容を受け手の立場になって考えてみると
 ブランディングを取り組むために必要な考え方を知る
 きっかけになると思います。

 では・・・
 
 これまで「TOTO」を知らなかった人が
 「TOTO」を知ったのはどこからでしょうか?
 また、きっかけは何でしょうか?
 

 これまで知らないわけですから、
 意識して知ろうとしないと知る機会はありません。

 幸いに「TOTO」の商品群は日常生活には欠かせないものばかり。
 となると、
 普段の生活の中で知らない間に認知されるきっかけはあるわけです。

 その生活シーンと「TOTO」がうまく記憶されると
 ブランド連想は強く働くことができます。

 「TOTO」といえば・・・「憧れの生活シーンのときに使うもの」

 そんな風に記憶の中に蓄積されていきます。


■ 高級市場に徹底的に特化

 水回り商品には
 「TOTO」以外にも中国ブランドやアメリカのブランドはあります。

 しかし・・・

 ここまで高級市場に特化し、
 高級市場以外は取り組んでいないブランドはないでしょう。

 お客様の立場で考えると、
 安価な商品を連想させる要因がないわけですから・・・
 高級市場のブランドとしか評価できないわけです。

 もし・・・

 広告やポスター、また他のコミュニケーションアイテムで
 少しでも安価な商品を連想させる要因があったなら・・・

 今のポジションは揺るぎ始めるかもしれません。

 
 お客様の視点に立って
 
 ・必要な連想はできているか?

 ・必要でない連想要因は排除しているか?

 この両面からの視点が
 高級市場で勝因を得るためには必要だと考えています。


 
■■ 今日のブランディングの秘密 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 ● お客様の視点に立って
 
  ・必要な連想はできているか?

  ・必要でない連想要因は排除しているか?

  この両面からの視点が
  高級市場で勝因を得るためには必要だと考えています。

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