


■ 低価格戦略からの脱却
「ハンバーガー65円!」
この衝撃的な宣伝に耳を疑った方は多かったのではないでしょうか?
1990年代の後半から日本マクドナルドの低価格化戦略が拍車がかかり、
消費者には今までのハンバーガーのイメージとは違って
財布が厳しくても手軽に食べることができる食事・・・
というイメージに移っていったと思います。
厳しい景気情勢ということもあって、
日本マクドナルドの戦略は市場のニーズに合致し、
集客・収益増を記録していきます。
しかし・・・
円安や客単価の低下に伴って創業以来初の赤字。
価格の見直しを図りますが、
一度、消費者の頭の中に記憶された
マクドナルドの安価なハンバーガーのイメージを
払しょくすることができず、
客離れを引き起こしてしまいました。
その後、大幅な戦略転換を実施。
・健康を意識したユーザーを取り入れるためサラダメニューを追加
・メガマックの導入
・テキサスバーガー、ニューヨークバーガーといった
期間限定ハンバーガーを販売
・24時間営業の店舗の拡大
を進めてきました。
また、少子化社会を見込んでターゲット層を
従来のファミリー層からビジネスパーソン層に広げ、
・マックカフェの導入
・プレミアムローストコーヒーの導入
・電源の設置
など、
マクドナルドに寄ってみたくなる理由をカタチにしていきました。
その結果、日本マクドナルドホールディングスは2009年末には、
・既存店舗売上高6年連続プラス
・6年連続増収
・全店舗売上高過去最高
という記録を残しました。
■ 戦略転換の軸になるコンセプト"i'm lovin' it"
先ほどご紹介した数々のマーケティング戦略を客観的に分析すると、
企業側の集客戦略の一端を紹介したに過ぎません。
しかし、個別の戦略に思えるマクドナルドのマーケティング戦略も、
ある視点で見るとお客様の記憶に残りやすいように仕掛けられています。
それは・・・"i'm lovin' it"
「私はそれが好き!」「それって最高!」
2003年に全世界で導入されたこのステートメントは、
あらゆるお客様とのタッチポイントでうたわれ、
お客様の頭の中に
「(様々なマーケティング戦略)+"i'm lovin' it"⇒マクドナルド」
というふうに、
入口は複数あっても記憶されるのは1つの器に集約されるように
設計されています。
無意識であってもお客様の頭の中に入り込み
時間が経過するごとに記憶への刷り込みが深くなり、
「低価格=マクドナルド」から
「楽しそうだから行ってみたい=マクドナルド」
という連想に切り替わってきたと私は考えています。
■ "i'm lovin' it"を作り上げるタッチポイントデザイン
戦略を集約させる役割とご紹介した"i'm lovin' it"ですが、
実は集約だけではなく、
クリエイティブワークのコンセプトにもなっているように
思われます。
私が小さかったころのマクドナルドのイメージは、
ロナルドが主人公だったこともあって「アメリカらしい!」といった
アメリカへの憧れを醸成させるものでした。
またブランドカラーの赤色や黄色が独自の世界観を作り上げていました。
しかし最近は
・歌舞伎役者がマックカフェで楽しむ
・テキサスバーガーやニューヨークバーガーといった
地域独自のハンバーガーを楽しむ
・マクドナルドで働くことを楽しむ
といった「楽しむ」タッチポイントが増えているように感じます。
その意味で、
「("i'm lovin' it"を反映した)タッチポイント
=楽しいライフスタイル⇒マクドナルド」
といったコンセプトの流れが
生まれているのではないでしょうか。
一貫した考え方のもとにタッチポイントをデザインしていく・・・
ブランド戦略の理論に基づいて設計されていく
これからのマクドナルド戦略が非常に楽しみです。
(企業ブランド構築コンサルタント 澤田且成)
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お客様の頭の中に
「(様々なマーケティング戦略)+"i'm lovin' it"⇒マクドナルド」
というふうに、
入口は複数あっても記憶されるのは1つの器に集約されるように
設計されています。
無意識であってもお客様の頭の中に入り込み
時間が経過するごとに記憶への刷り込みが深くなり、
「低価格=マクドナルド」から
「楽しそうだから行ってみたい=マクドナルド」
という連想に切り替わってきたと私は考えています。
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