企業ブランディングパートナー/ブランド戦略コンサルタントとして中堅中小企業のブランディングを支援。

解除はブランディングニュースの末尾に記載している一括解除アドレスからお願いします。


バックナンバーはこちら


ブランディングニュースは、日常生活で見かける“ブランド”をグッドプラクティスにして、次のような内容をお伝えしています。
 
●どのようにしてブランド力をビジネスの戦略ツールにするのか?
●経営幹部が必要なブランドマネジメントの考え方とは?
●高収益企業体質の会社の共通点とは? 
●お客様をファン化させるには? 
●社員のモチベーションがアップするブランディングの手法とは? 
●無駄を削減しながらブランド力を構築する方法とは?
 
発行部数 8,000部 
日本語のみ

 
 

No.123 モノから価値の転換がブレイクスルーを生む!青山フラワーマーケット


■ ブランド魅力度調査3位!ポーター賞受賞!

「立ち寄ってみよっかな」
そう感じる小さなショップには、
手にとってみたいたくさんの花が・・・

そんなフラワーショップを首都圏中心に展開する
青山フラワーマーケットは1988年に設立。

昨年、20周年の佳節には、
日経リサーチの「ブランド魅力度調査」で
東急ハンズやユニクロに続いて総合第3位。
「コミュニケーション」「商品・サービス」分野では何と1位を獲得。

また、競争戦略論の第一人者、
ハーバード大学のポーター教授に由来して設立された
「ポーター賞」を受賞。

同賞は、革新的な製品やプロセス、マネジメント手法によって
独自性のある価値を提供し、
業界におけるユニークな方法で競争力をつけた
企業や事業に与えられますが、

2009年のポーター賞は、
アパレル業界で著しい成長を成し遂げているユニクロと
青山フラワーマーケットの2事業が
複数事業部門で受賞しました。

その意味で青山フラワーマーケットは
ユニクロと「同等の事業体」と評価されている
といっていいと思います。

その評価理由を読み進めていくと、
青山フラワーマーケットの独自性であり、
哲学に基づく経営スタイルを読み取ることができます。
http://www.porterprize.org/winners2009.pdf

■ 商品としてのモノの花から、日常生活に価値を与える花へ

井上社長がフラワービジネスをスタートするきかっけは、
市場価格と卸価格の差額。

「もっと安く売れるんじゃないか・・・」
と目をつけた井上社長。

従来の花卉市場は、
在庫廃棄の分も考慮して価格に反映されていたため、
売れ筋だけを販売することで価格破壊をおこしました。

しかし・・・

ここで注目したいのは低価格が理由の競争力です。
価格競争力だけで勝負するビジネス戦略は
歴史から学ぶと分かりますが、
最後は苦しい体力勝負になってきます。

青山フラワーマーケットも価格だけで勝負していたら、
きっと今のような成長の軌跡を描いていなかったでしょう。

でも同社は井上社長ご自身がブレイクスルーしたと当時に
大きな転換期を迎えたと思います。

ブレイクスルーとは何か?

それは井上社長がパリに視察にいったときのことです。

いつも花に囲まれた生活を過ごしてきた井上社長でしたが、
パリのホテルの部屋に戻ると花がなく、
これまでにないさみしさを感じたといいます。

そこで街に出かけて花を買ってきて
部屋に飾ったら部屋は一変。
花がある日常生活の大切さを感じたそうです。

花が生活を明るくする。
花が食事をおいしくする。
花がある生活スタイルを提供したい・・・

井上社長は「おれは花咲じじいでもいい。
花のある生活スタイルを提供したい・・・」
とフラワービジネスへの認識が大きく変わったそうです。

その後、
花そのものを研究し見識を深めていきました。

これは私の推測ですが、
当初は売値と原価の利幅を得るモノとして
花を位置づけていた視点から、

花そのものの価値を再発見し、
花がある生活そのものが楽しい嬉しいと感じ、
新しいライフスタイルの価値を提案してくれる花。
そんな商材への視点に変化したビジネスモデルのアプローチによって、
ブレイクスルーを手にしたのではないでしょうか?

■ フラワー市場のスターバックス

ご存じのとおりスターバックスは、
コーヒーを販売しているショップではなく、
サードプレイスを提供するために
おいしいコーヒーや音楽、空間を提供している事業と定義しています。

青山フラワーマーケットは、
花を販売している会社ではなく、
「個人の日常生活(Private & Daily)の花」に特化し、
「花のある時間と空間(Living With Flowers Everyday)」
を提供するサービス業と定義しています。

「安いから集客できる!」という理由ではなく、

「花」のある生活空間を提供したい

(そのためには・・・)

「花」への垣根を低くしたい

(そのためには・・・)

「花」の価格を抑える(定番ブーケ300円~1500円)
「花」を楽しめるショップにする
(花がグラデーションに見えるよう配置、等)
「花」を手軽に持って帰れる容器や袋を工夫する
(男性が持って帰りやすいような袋、等)

といったビジョンから始めるビジネスコンセプトが
様々なアイデアを浮かばせる原点ではないかと考えています。

厳しい市況の今、
価格をリーズナブルに再検討することは必要なことですが、
必要以上に価格だけを落とすことに執着せず、

商材を"モノ"から"価値"へと見直したとき、
新しい視点のビジネスアイデアが浮かぶかもしれません。

(企業ブランド構築コンサルタント 澤田且成)

=======<< 今日のブランディングの秘密 >>======================

当初は売値と原価の利幅を得るモノとして
花を位置づけていた視点から、

花そのものの価値を再発見し、
花がある生活そのものが楽しい嬉しいと感じ、
新しいライフスタイルの価値を提案してくれる花。
そんな商材への視点に変化したビジネスモデルのアプローチによって、
ブレイクスルーを手にしたのではないでしょうか?

=============================================================