
日本には430万を越える企業が事業を営んでおり、その99.7%を中小企業が占めています。日本経済の今後の行く末はこの中小企業が担っているといっても過言ではありません。 景気の悪化による受注の減少、飽和市場といった外部環境の激変によって中小企業は大変革を必要としています。大変革といっても、まったく新しい何かをすることは高いリスクが伴います。今の時代に効果的な戦略、それは、中小企業が創業以来培ってきた"伝統"そして時代に合わせた"変革"、まさにこの"伝統"と"変革"の両輪を適切に考え実践することこそ、時代を勝ち抜く企業の共通点であり、このような企業こそ強いブランドを持つ企業と言われるのです。

「ブランド」や「ブランディング」という言葉は、どちらかというと中小企業から遠いイメージであり、大企業のみが事業戦略として認識している感がありました。これは「多額の広告宣伝費をかけた全体戦略=ブランド戦略」と理解されてきたからです。近年、経営を学ぶ方が増加し、ブランディングの考え方や進め方がようやく重視されるようになりました。今では「中小企業こそブランディングが必要」といわれ、中小企業庁も「JAPANブランド育成支援事業」を04年からスタートさせました。これは政府がブランド戦略を支援し、地域ブランドの活性化と世界に通じる商品づくりをサポートするもの。また「ブランド力による成功事例」が中小企業白書で数多く紹介され、さらには「国」としてのブランド力を向上させようと、日本政府も多くの観光資源を積極的に海外メディアへPR活動を進めています。
国をあげて支援し、様々な取り組みがおこなわれている「ブランディング」。今こそ中小企業がブランド戦略を取り組まない理由はないでしょう。かつてないほどの追い風です。この環境をぜひともご活用いただきたい。私たちは切に願っております。
「ブランド」とは、他と識別するための概念です。「brander」が語源とされています。該当するもの(企業・商品・サービス・学校・国・地域等)についてタッチポイント(接点)から得られる情報、その伝達方法、消費者が既に持っている情報・経験等が重なり合って消費者の頭の中につくられる評判です。このブランドは、ヒト・モノ・カネ・情報に続く第五の経営資源といわれ、ビジネスでは重要な要素として位置づけられています。
一方、「ブランディング」とは、他との識別をするための名前やロゴを設定するということだけではありません。消費者の頭の中に、特定のポジションを獲得するための仕組みを導入することです。その結果として、消費者行動にまで働きかけます。最近は、調査、ポジショニング、ネーミング、シンボル、デザイン制作といったインフラ部分の整備だけなく、企業戦略、マーケティング、社員教育にまでブランディングの考え方が影響を与えています。